ロリコン大国ニッポン

ロリコン大国ニッポンに生まれてしまったばかりに、たまに心の中に、若さに執着してしまう妖怪を作り上げてしまう人がいる。それは男も女も関係ないと思う。女は自らの若さに、男はパートナーの若さに、執着している妖怪を作り上げてしまう。わたしもそのひとりだ。年齢なんて関係なく、好きな人に愛してもらいたいと思っているのに、一番若さに固執しているのは自分だ。だから誕生日が怖い。積み重ねられていく年齢が怖い。衰えていく体力もハリのなくなっていく皮膚も、全てが怖い。

年を重ねれば、人間は深みが増すというし、年齢に囚われない生き方はとても素敵だと思う。でもわたしには、まだそれを受け入れることができない。もしかすると、一生受け入れることができないのかもしれない。きちんと段階を踏んで、思春期から青年期に移行していれば、こんなことは起きなかったのだろうか。

とにかくわたしは、自分の年齢と年老いていく体を、受け入れることができない。

関係あるのかないのか分からないが、わたしは同世代の異性とうまく付き合えた試しがない。たぶん、自信がないから怖いのだと思う。年上の男の人に甘える分には、いくらでも未熟なわたしでいい。それを可愛いと言ってくれるから。でも同年代の異性は怖い。パッと見、年齢よりも落ち着いて見えるわたしを、よく知ったとき、とんでもなく未熟なのを知られてしまう、だめな人間だと思われる。そうすると相手はがっかりしてしまう。そうしてまた自信をなくす。やっぱり同年代はやめて、お父さんと同じ世代の人に可愛がってもらいたくなる。

でも、今は若いからいくらでも、お父さん世代にちやほやされるけど、若さを失った時誰にもわたしに寄ってこないと思う。だから若さ以外にも武器を作らないといけない。仕事、貯金、資格、ひとりで死ぬための人生計画。未熟だけど、結構考えてるのよ。

ああ、いくら武器を作ってもやっぱりわたしは、まだ若さに固執してしまう。人からは固執されたくないと思っているのに、いちばん固執してるのはわたしじゃないか。

あなたにもわたしにも妖怪は住んでいるのではないでしょうか。わたしには住んでます。若さに固執するこわい妖怪が。